【続編も完結】王子様の魔法

第二章 /矢印のゆくえ



「あっつーい」


窓の向こうに広がる青空。

ギラギラと容赦なく照りつける太陽が夏の訪れを告げている。


つい最近まで毎日降り続く雨と

じめじめした空気にイライラしていたはずなのに。



「もう7月だもんねえ」



教室の窓際。

半袖のシャツから覗く細い腕で

赤い下敷きをうちわ代わりにパタパタと自分を扇ぐ瑞穂ちゃんがしみじみと呟いた。



「その後どう?生徒会には慣れた?」

「うーん?どうかなあ」



窓辺に寄りかかる彼女の声が頭上から降り注ぐ。

それに答えて首を傾げながら

眺めていた英語の教科書からそっと顔を上げた。



「どうかなあって。もう1ヶ月も経ってるんだからいくら亜紀でもいくらか慣れたでしょ」

「……あたしが人見知りするの、知ってるくせにぃ」



にょきっと唇を尖らせながらそうぼやいてみせると

彼女は小さくため息を吐いて首を左右に振った。

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