【続編も完結】王子様の魔法





「人見知りっていうか、猫かぶりっていうかね。おとなしいのは見た目だけだし」




“やれやれ”といった調子で肩をすくめて見せる彼女。


腕を組んだ拍子に

その長い指に挟んだ単語帳がすっと視界を横切る。



「五月蝿いなあ。心配してくれてるのかと思ったのに」

「心配?してないけど」




さらっと何も悪びれる様子も無く爽やかな笑顔を浮かべる瑞穂ちゃん。


ひくっと思わず頬を引きつらせるあたしに

彼女はケラケラと笑い声を上げた。



「だあって、たっちゃんがいるじゃん。亜紀の本性を知ってるあの子がいるからには何の心配もないと思ってたんだけど」



「違うの?」そう付け足されてあたしは教科書に慌てて目を戻す。



……たっちゃんは

あたしを心配したり、気を遣ったり


そんな類の感情、持ち合わせてないと思うけれど。

0
  • しおりをはさむ
  • 269
  • 506
/ 437ページ
このページを編集する