【続編も完結】王子様の魔法

第三章 /優しさと葛藤



しばらく馬鹿みたいにその場に固まっていたあたしだけれど

教室の明かりが1つ、また1つと消えていくのを見守る内に我に返る。


どれくらい時間が経ったか分からない。

だけど、夏の夕暮れ空も少しずつ夜に侵されて来ていた。


いつまでもここにいたって仕方ない。


そう自分に鞭を打つようにして

あたしは棒のような自分の足をようやく踏み出す。



さっきの先輩達は既に帰宅をしているかもしれない。

だけど何となく顔を合わせるのが嫌で、遠回りをして生徒会室へ戻ることを決意。


あたしはゆっくり階段を上ると、4階を通って校舎を横切ることにした。



階段を踏みしめて辿り着いた上の階。

予想通り、そこに並ぶ8つの教室には、1つだって明かりが灯っていない。


薄暗い廊下。

ぼんやりさっきの言葉を思い返して、歩みを進めた。

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