【続編も完結】王子様の魔法

第一章 /生徒会役員達




―――……



会長が本性を見せた

その数分後。


古びたドアが静かに開いて

見知らぬ男女二人が生徒会室にやってきた。



「失礼します。副会長に選ばれた、田口宏美です」

「川崎一志、会計です」




笑顔が素敵な美人さんに

真面目そうだけどちょっと無愛想な青年。



二人を交互に見比べて

あたしは無意識に頭を下げる。


挨拶をしようと慌てて立ち上がると

彼らの間に割って入るようにして“アイツ”の背中が視界を遮った。




「会長の椎名です。よろしく」




背中だけで分かる。

彼はきっと、

あの偽者に限りなく近い

完璧な笑顔を浮かべているに違いない。



本性を現した直後。


あたしの前で即いつも通りに振舞えるだなんて

胡散臭いこと、この上ない。


考えただけで、身の毛がよだつ。



「……」



キッとその背中を鋭く睨んでみる。


彼がそれに気付くはずもない。

そう分かっていながらも。

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