【続編も完結】王子様の魔法
第四章 /舞踏会への道
「藤見さんッ、待って!」
「……っ」
背後から会長が追いかけてきているのが分かる。
分かっているのに、あたしはそれを振り返らずに校舎脇へ向かって駆けていく。
どこへ逃げても、人、人、人の群れ。
学校内を埋め尽くすその数は
今のあたしにとっては好都合だった。
こんなに情けない自分の姿。その心。
会長になんて、絶対に見られたくない。
「藤見さんッ!」
もう一度名前を呼ばれたけれど
あたしは振り返らないまま駆けていく。
人の波をすり抜けて
やってきたのは、校舎の裏側。
一人になりたくて飛び込んだそこは
幸運なことに、人影一つ見当たらない。
会長がついてくる様子は無い。
どうやら、上手くまけたらしい。
あらすじ
学園の王子様の本性は…とんでもないやつだった!?「命令だ。俺以外の男見んじゃねーよ」意地悪ドS生徒会長♂×地味♀のシンデレラストーリー*
この作品のレビュー
総合ランキング21位獲得!(2015年02月)
twitter
更新情報、つぶやき
MY BOOK
作品一覧