【続編も完結】王子様の魔法

第四章 /舞踏会への道




「藤見さんッ、待って!」

「……っ」



背後から会長が追いかけてきているのが分かる。

分かっているのに、あたしはそれを振り返らずに校舎脇へ向かって駆けていく。


どこへ逃げても、人、人、人の群れ。


学校内を埋め尽くすその数は

今のあたしにとっては好都合だった。


こんなに情けない自分の姿。その心。

会長になんて、絶対に見られたくない。



「藤見さんッ!」



もう一度名前を呼ばれたけれど

あたしは振り返らないまま駆けていく。


人の波をすり抜けて

やってきたのは、校舎の裏側。


一人になりたくて飛び込んだそこは

幸運なことに、人影一つ見当たらない。



会長がついてくる様子は無い。

どうやら、上手くまけたらしい。

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