【続編も完結】王子様の魔法

第一章 /正体不明な心



―――……



「藤見サン、ちょっと残って」

「はい?」



“初日”のミーティングが終わって

会長に声をかけられて、思わず間抜けな声を上げる。


生徒会以外に特に用事がないあたしは

もう帰る気満々。


カバンを肩にまでかけて

出口に足を向けていたというのに。



「書記の仕事、悪いんだけどまだ残ってるんだ」



そう申し訳なさそうに眉をひそめる会長。


どこからどうみたって

その顔が“ごめんね”って言ってる。


それを素直に受け取れないのは

決してあたしが悪いわけではないと思うけれど。



「はあ」



気の抜けた返事をして

手にしていたカバンを机の上に戻す。


そんなあたしを尻目に

他の役員達3人が背後のドアから部屋を後にしようとしている。


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