東雲さん家の食卓には【完】

Brand new days /月刊少女シュシュ



「ヒカリー、これ何?」


「?!」


「少女漫画も読むの?」


「ミコトが置いていった。」


「え?」


「ミコトが置いていった!」








東雲さん家の恋愛バイブル









◇◆◇高校生ミヤビeye




この春からヒカリが学寮にやって来た。


親友が側にいるのは素直に嬉しいことだが、
気軽に遊びに行っていた場所へ理由も無しには行きにくくなったのは少し残念だ。



(ミーちゃんも寮に入ればいいのに…。)



そんなことを思ったが、きっと ” あの兄 ” が許さないのだろう。


ヒカリもシスコン (本人は否定するけど ) だけど、アカネさんの方はもう病的なヤツだ。


ミコトの将来を考えたことはないのかと疑いたくなるレベルだ。



「この間出た新作クリアした?」



ボヤっとしているとヒカリに問われた。


新作とはゲームのことだ。



「ああ、一徹して2日で。」


「マジかよ?!お前すぐ徹夜するよなー。オレなんか未だ半分くらいだぜ。」


「ヒカリは純粋に楽しんでるよね。僕はもう作業みたいな感じ。」



わからないことや敵の倒し方のコツ、隠れアイテムの場所…全てネットで調べてそれ通りにクリアしていく。


正に作業そのもの。



「なんか製作者の意図を知りたくなるんだよ。だからついついダラダラして進まねーんだ。」


「その方がゲームも人生も楽しいよ。」


「人生って…話飛躍し過ぎだろ。」


「そうかなー。あ、今日漫画貸してよ。」



本棚を眺めていたら気になる背表紙が目に飛び込んできた。



「いいけど。殆ど実家に置いてあるからあんまり無いぜ?」


「ここにあるので問題ないよ。」



本棚から一冊手に取りパラパラ捲る。


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