東雲さん家の食卓には【完】

Come on! Summer! /七夕



「きゃー!流れてきたきたぁ〜!」


「…………。」


「アカネ!卵!卵も!」


「アズミー、水強すぎー!少し弱くしてー?」


「はいはーい!」


「…………。」


「先生、ちゃんとキャッチしないと食べられませんよ!?」









東雲さん家で流し素麺
〜進路指導付き〜











◇◆◇教師リュウノスケeye




高校3年の夏なんて勉強以外の何がある。



「海行こうよ!」

「花火大会あるよ!」

「ウチの別荘にみんなで…」



廊下ですれ違う生徒からはレジャーの話しか聞こえない。



(エスカレーターだと呑気なもんだな。)



夏休みを目前に控え、生徒たちは浮き足立っていた。



(おいおい、夏休み前に定期考査があるの忘れるなよ?クリアできなかったら追試&補習があるからな?俺の夏休みを潰すなよ? )



それでなくても後期は課外授業をしなくてはならないのだ。


余計な仕事を増やさないで欲しいと切実に願う。



「ミコト!テメェ待ちやがれ!」


「そう言われて素直に待つわけないで…



ドンっ!





っ痛い!」


「ぐはっ!」



胸のあたりに激しい衝撃が走る。


見れば頭を抱える少女。



「リュウ!よくやった!ミコト、テメェ…」



ヒカリに首根っこを掴まれバツの悪そうな顔を見せるミコト。



「ちょ、ちょ、ちょ、待って。ヒカリ、お前仮にも担任を呼び捨てってどうなのよ?」


「は?呼び捨てじゃねーだろ。アダ名じゃん。愛称だろ。呼んでもらえるだけ感謝しろよ。」



いつもに増して鋭い目つきで凄まれる。


ミコトに少しでも関わればこれだ。


授業で指名したり、クラスの仕事を頼んだりする度、ヒカリから敵視される。



どんだけシスコンだよ。



だか、今日の俺は怯むわけにはいかない。




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