東雲さん家の食卓には【完】

Come on! Summer! /雷



「ねえ!今!すごく光った!」


「すげー稲妻!ゲームみてー!」


「「…………。」」


「雷おこし食べよう!」







東雲さん家と雷おこし









◇◆◇司書メグルeye




「…久しぶり。」


「?!」



振り向いたミコトはすごく驚いていた。


こんな所でまさか出会うとは思わなかったようだ。


俺だってそうだ。


車で近くを走っていたら偶々ミコトがこの老舗和菓子店に入って行く姿が見えただけ。


だから寄ってみただけだ。



夏休みに入ってからミコトと話をしていない。


何度かヒカリやその他2名と図書館へ来ていたのは知っているが、課題をやっているようだったので声はかけなかった。


関係をとやかく聞かれるのも面倒と思ったのと、無駄にヒカリに絡まれるのも避けたかった。



「何買うんだ?」


「雷おこし…。」



ミコトはショーケースに綺麗に陳列された和菓子を見つめた。



「このセット下さい。」



数種類の雷おこしが箱詰めされた物を購入し、紙袋に入れられたそれをミコトに渡した。



「お金…。」


「いらない。」


「ダメ!アカ兄に怒られる!」



ミコトからその名前は一番聞きたくない。


だから黙って差し出されたお金を受け取り、店の外に出た。



「ここまで何で来た?」


「電車です。」


「乗って。」


「…………。」



助手席のドアを開け、ミコトを乗せると、フロントガラスに水滴が落ちた。



「雨…?」



ミコトが不安そうに呟いた。



「アカ兄に連絡しなくちゃ…。」


「なんで?」


「傘持って向こうの駅で待ってるかもしれないから…」



ミコトがそう言ってスマホを取り出すと、雨がザーッと音を立てて降り出した。




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