東雲さん家の食卓には【完】

Good-Bye Summer /推理



「何してんの?」


「散歩。」


「派手な散歩だな。」


「ミコトには内緒ね。」








東雲さん家の迷探偵










◇◆◇次男ヒカリeye




バイト前に小腹がすいてキッチンの戸棚を開けたら、老舗和菓子店の菓子折りが目に入った。


開封した様子もないそれは、” あの日 ” のままだ。


ミコトに初めて恋人ができた日。



( …そろそろ食べなきゃ悪くなるっつーの。)



ベリベリベリ…




包みを破き、箱を開けると小包装された雷おこしが行儀よく並んでいた。



(家で食べるのに何でこんな畏<カシコ>まったヤツ買ってくるんだよ。)



「泥棒!」


「うおっ!っざけんな!ビビるだろ!」



背後の声に驚き、不満を漏らしていると、伸びてきた手が雷おこしを1つ摘んだ。



「俺も食べる。」


「…ん。」


「お茶飲む?」


「いや、バイトだし。」


「そ。」



アカネは短く返事をすると、そこに座り、封を開けた。



「「…………。」」



二人で戸棚の前にしゃがみ込み、雷おこしを食べる。



ポリポリポリ…


ポリポリポリ…





「「…………。」」



「今日、” 神様 ” いるかな…」



アカネが言う ” 神様 ” とはオレのバイト先であるGardenの一人息子のことだ。



「さあ?いるんじゃねーの。何?来るの?」


「行こうかな、ヒマだし。」


「あっそ。」



本当はバイト先に身内なんて来てほしくないのだが、おとなしくしていてくれるなら別にいい。





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