東雲さん家の食卓には【完】

鬼退治 /バレンタイン



「ミコちゃん、ミコちゃん、明日だね。」


「んー?何が?」


「「バレンタイン」」


「あ!そうだった!メグルさんと約束してたんだ。」


「「は?」」


「メグル?」


「誰それ?」









東雲さん家のチョコレート事変











◇◆◇長女ミコトeye




うっかり口にしたことを後悔した。



「誰?メグルって?」


「お前にそんな友だちいた?」


「え?女友だちだよね?友チョコだよね?」


「違うクラスの女子?」



アカネとヒカリに交互に質問責めにあい、朝からテンションがいつも以上に下がった。


暫く無視していたが、いつまでもどこまでも付いて来ては質問し続け、挙句、「質問に答えないならキッチンは使わせないよ。」と、アカネに言われてしまった。


今日はキッチンが使えないと困る。


チョコレートが作れないから。


毎年バレンタインぐらいは、とお菓子作りを始めて数年、お世話になっている人にささやかだがプレゼントしている。


もちろんアカネとヒカリにも渡している。


二人は紙袋いっぱいにチョコレートを貰うくらいモテるくせに何故か私に催促するのが意味不明だ。


シスコンなのは自他共に認めているが、身内からのチョコレートなんて欲しいものなのかな。


チョコレートそんなに好きなの?



「…で、メグルって誰?」



あ、続いてたんだ、その話。



「ミコちゃん話すまで俺学校行かないからねっ! 春休みだし!自由参加だし!」



アカネは口を尖らせ、息巻いた。



「じゃ、オレも行かねー。」



薄々何かを感じとったヒカリはニヤっと笑った。



(朝からなんて面倒くさい兄達なんだろう! )




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