東雲さん家の食卓には 2nd【完】〜番外編完結〜

秋の夜長に /マスカレード〜第3部〜



「一緒に踊ろうか!」


「本当に参加するの?」


「もちろん!」








東雲さん家と仮面舞踏会
〜第3部〜








◇◆◇長女ミコトeye




崩れるように地面に座り込んだ一人の青年は
私のドレスの裾を掴んで声を殺して泣いていた。


アカネが泣いているのを見たのはいつぶりだろう。


私が中学生の頃だから…アカネは高校生だった。


あれ…

どうしてあの時は泣いてたんだろう。



…………。



アカネの柔らかい髪を撫でながら考える。



そして少し昔を思い出した。



ああ、あの時だ。


私が知らない男に誘拐されかけた時だ。


私自身が招いたことだったのに、アカネは自分を責めて私に何度も" ごめんなさい " と泣いて謝っていた。



アカネは悪くないのに。


助けに来てくれたのに。


私がアカネを泣かせている。


あの時も今も。



「…アカネ、ごめんね。」



私が馬鹿で、



「…アカネ、ごめんね。」



鈍感で、



「…アカネ、ごめんね。」



無自覚だったから。



無自覚のフリをしてたから。



" 兄妹 "



その関係が壊れてしまうのが怖かったから。


居心地の良い場所が無くなるのが嫌だったから。


けれど自覚した今ならわかる。


私はアカネを悲しませてばかりいる。




そしてアカネやヒカリはもうその関係を望んでいないことを。





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