お邪魔します、大谷さん。

私とあなた、そして家賃 /【12月31日】

【12月31日】




出会った頃を思い出しながら茹であがった蕎麦を冷水で締め、ザルに上げていると、



「いつまでそっちにいるんだJK?」



ユメさんの気があるようでない声。


いや、寧ろあなたがいつまでココにいるの?



「ノゾム〜、早く来なよ。」



横柄な態度のユウトくん。


用があるなら自分から来てください。



「一緒にあそぼ、ノゾムちゃんっ!」


「きゃっ?!」



背後からメグミくんに抱きつかれ、そのまま
リビングに連れて行かれる。


見た目は美少女なのに、やっぱり男の子、力持ちね。



「もうっ!私の家で好き勝手しないで!家賃を払って速やかに自分の部屋に戻ってください!」



炬燵でゴロゴロしているユメさんとスマホを眺めているユウトくんに言う。



「年越しに独り…おじさん死んじゃう。身も心も凍えて死んじゃう。明日の朝刊の一面に載っちゃう。今時のJKは薄情なんだね…。」



クリスマスも同じようなこと仰っていましたね。


クルシミマスとかなんだとか…。



「パーティー続きで飽きたし、近くにボッチのやつがいると辛気くさいんだよ。」



私のことはお構いなく!


リア充満喫してください!



「家賃は払うよ。でも僕はノゾムちゃんと一緒に年越ししたいの…ダメ…?」



ダメ…


じゃないですぅぅぅっ!


誑し込まれるぅぅぅっ!!



「とか言って、俺の大好きなうんまい棒を全種類買っておいてくれるツンデレJK〜!」


「御節まで準備しちゃってさ。」


「お蕎麦だってみんなで食べるよね〜!」


「「「ノゾム〜?」」」



…………。



「もうっ!好きにしてよ!」



結局、思い通りにはならなくて。


いつからか、誰からだったか、私の家に何かと集まるようになってしまった。


(何かと…?いや、ほぼ毎日一緒にご飯食べてる気が…。)




そんな私たちの日常。


シェアハウスでなければ、


家族でも恋人でもないけれど。


管理人代理と入居者という他人だけれど、


赤の他人よりは温かい関係。


その距離感が丁度いいの。


思ってる以上に楽しくなるの。






正直に言うつもりはないけどね。



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