お邪魔します、大谷さん。

私とあなたと回覧板 /【12月31日】その2

【12月31日】その2


「かき揚げを作れるJKっているんだな。」


ユメさんは海老とイカ、ネギの入ったかき揚げを箸で摘みながら言った。



「普通に美味いしね。」



ユウトくんがサクッと音を立てて食べる。



「ノゾムちゃんはいいお嫁さんになるよ〜!」



そう言いながら私の頭を撫でるメグミくん。


お蕎麦だけでは寂しい気がしたので、天ぷらを揚げたら喜んでもらえた。



「数が少ないけど、そこは許してね。」


「菓子も食べるし問題ないな!」


「蜜柑もあるしね〜。」


「大晦日って感じだね〜。」



そんなやりとりをしながら、蕎麦を啜ったり、かき揚げを食べる。


やっぱり美味しく食べてくれる誰かがいると
嬉しいな。



「JKがかき揚げ…ってか家事全般できるJKってすごいな。」



まじまじとかき揚げを見つめてユメさんは呟いた。



「まあ、大抵は親がやるだろうからね。」



ユウトくんはスマホ片手に蕎麦とかき揚げを
並べて写真を撮っている。



「ノゾムちゃん素敵。」



メグミくんの方がその数倍素敵な笑顔だよ。



「ほ、褒めても何もしないからね?」



私が照れ隠しにそう言うと、



「ちえっ!部屋の掃除頼もうかと思ったのに。」



ユメさんから信じられない言葉が返ってきた。


だって…



「一昨日手伝ったばかりですけど?!」



手伝ったと、いうより、ほぼ私が掃除したのだけれど。



「もう2日経ってるんだぜ☆」



何でドヤ顔?


意味わからないです。



「2日で荒れるって…。」



どういうことよ…。



「仕事が忙しくて何もできないっ!」


「威張るな!」



私が叫ぶと、



「うわぁ…相変わらずの社畜〜!」



理解し難い様子のユウトくんに、



「お疲れ様です。」



誰にでも優しいメグミくん。



「メグたん優しいぃぃぃ!天使!」



大柄で髪がボサボサのユメさんが抱きついても、メグミくんは嫌な顔一つしないで、よしよしと頭を撫でる。


なんとなく後光が差しているように見えるのは気のせいかな。



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