月華Ⅰ

黒月組 /大切な人 side光輝






俺は綾が去った階段をじっと見つめていた。







バラバラになったブレスレット。

2度告げられた”さよなら”








………俺はどこから間違えていた?








綾が朱虎のところへ入り浸っているなんて最初は信じていなかった。


前から朱虎との関係は言ってあったし、なにより神木の汚さも伝えていた。


……でも俊と悠斗が見てしまった。

綾の姿を。朱虎の第2倉庫から出てくる姿を。








ありえない。綾が裏切ったというのか?

そんなはずはない。







………そんなはずはない?

どうしてそう言いきれる?俺は……俺たちは騙されていた?








「……光輝。俺達は…裏切られてた。」








そんな悠斗の言葉に俺はどん底に突き落とされた。







綾のことを本気で愛してた。

一目惚れ……に近かったんだと思う。





俊に会いに1個下の学年の廊下を歩いていたときに見つけた。


長くて艶めいた漆黒の髪。
小さくて真っ白な顔。
スラっと伸びた長い手足。
小さな顔に不釣合いな大きな瞳。

………でもその瞳に光はなくて。







こいつはなにかを抱えて生きてるんだと直感的に思わせた。



”守ってやりたい”



そんな感情になったのは始めてのことだった。


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