THE BOY in the BOX

1 /yuri

その日、悠里は珍しく浮足立っていた。

あーもー、早く授業終わらせろっつーの。

心の中で毒づいたのには理由がある。
今日に限ってお弁当を忘れてしまったのだ。

今日の学食はカレーだから、食堂はきっと長蛇の列になるだろう。はぁと、ため息を一度付くと、もう一度時計の針に目を配り、昼休みが始めるのを待った。

5、4、3、2、1――――…
キーンコーンカーンコーン…

チャイムと同時に席をたつ。
多分、昨日の50m走よりも全力で走ったと思う。

なのに。

「マジかよ!」

食堂は既にいつもの2倍の人が居た。
この列に並ぶ勇気はない。

肩を落としながら教室に戻る悠里は目の端である人物の後ろ姿を捉えた。

――小野春人だ。






0
  • しおりをはさむ
  • 0
  • 0
/ 19ページ
このページを編集する