不純愛【完】

必然

****


「お前馬鹿だろ?」


しばらく黙り込んだと思ったら、開口一番に加瀬は言う。


「なんでセフレで収まっちゃってるわけ!?」


やっぱり意味わかんねぇ。終いにはそう言って、心底わけがわからないと言うように頭を抱えた。


こんな状況に至ったのは10分前。





──同窓会があったあの日。

あれから2人で店を出たことは加瀬しか知らない。

長い間近くで俺の事を見てきた加瀬は、うまくいったものだと思って意気揚々と俺をこの店に呼び出した。

店に着いてすぐ、「あれからどうなった?」と、聞きたくてたまらないであろう本題を切り出してくる。


「セフレになった」


そして単刀直入に結論だけを伝えると、


「…え?何?どういう事?意味がわかんねぇんだけど」


さっきまでのテンションは急激に温度を下げて、今度は訝しげに眉を顰める。


「セックスフレンド。つまり体を目的とした「んなもん知ってるわ!」


懇切丁寧に説明をしようとすると、目の前の加瀬はクワッと目を見開いてテーブルを叩きつけた。

…冗談なのに。



俺の現状を聞いた加瀬はなぜか俺よりも動揺していて、腕を組みながらしばらく考え込んでしまった。

まぁその結果が馬鹿呼ばわりなわけで。



…まぁ普通はそうだよな。

冷静な頭で思う。

8年ぶりに会えた想い人。

付き合うことになるならまだしも、セフレになっちゃってんだから。


「とりあえず俺にもわかるように説明してくれ」


そう言われ、これまでの経緯を掻い摘んで説明することになった。


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