不純愛【完】

追想


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順風満帆な人生だと、自分でも思う。

ごく普通の家庭に育ち、人間関係も卒なく築く。

勉強だって昔から物覚えがいい俺は、成績も常に上位。

人より容姿に恵まれているのは自覚していた。

おかげで女にも困ったことはない。

わざわざ自分から声をかけなくても、寄ってくる女は蟻のようにいた。

だけどそれは俺自身に対して近寄ってくるのではなく、「桐谷遥」という顔しか見てない。

それでも俺は何も不満に思ったことはなかった。

10代の思春期真っ只中、頭の中はただヤレればいい。それだけだったから。

付き合うなんて名ばかりで、ヤリたいときに会う。そんな感じ。


高校に入り、同級生だった加瀬とは性格も考え方も真逆のタイプなのに不思議と気が合い、しょっちゅうつるむようになった。

加瀬はいつもくだらないことをやって、時々は教師に怒られたりもして。

それでも基本はいい奴だったから、常にクラスのムードメーカーだった。

いつしか俺たちの周りにはグループのようなものが出来ていて、気がつけば俺自身もクラスの中心のような扱いになっていた。

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