不純愛【完】

甘露

ポツリ、ポツリと自分の口から吐き出される言葉は不思議と素直なものだった。

表面を繕ったようなもんじゃなくて、ありのままを口にした。

うちの家庭環境や父と母のこと。

そして


「私だけを見てほしい。私のことを、もっとちゃんと…」


自分の、本心。

言葉にすると、自分でも驚くほど受け入れることができた。

あぁ、私は両親から愛されたいんだ、と。


母とは違う人を愛する父。

そんな父に愛されたい母。


そのどちらも私に向く事はなくて、その現実を受け入れたと同時に失望もした。

親子の無償の愛なんて存在しないのかもしれない。

親と子の絆がこんなにも希薄で、ほしいと思っても手に入らないのなら、最初から求めなければ良いんだ。


0
  • しおりをはさむ
  • 926
  • 467
/ 437ページ
このページを編集する