不純愛【完】

追駆


彼女を再び見失って喪失感を抱えたままでも、俺にやってくるのは何も変わらない日常。

何もしたく無いと思えど、働かないことには生きていけない。

生きるためには働かないと。

それからは自分を突き動かすように仕事に没頭した。

仕事に没頭している間は無になれたから。

そして思う。

立ち止まっていたって何も変わらない。

だったら自分から動いて変えればいい。

ものは考えようだ。

あんなに会いたくて会えなかった彼女に偶然でも会えた。

なら可能性はゼロじゃない。

闇雲に探し回るのは時間的にも体力的にもロスが多すぎる。

なんせ彼女に関する情報なんて何一つ持ち合わせてなんかいないからだ。

だったらあの日彼女を見た場所で待つしか無い。

長期戦になることを覚悟して、暇を見つけては界隈のカフェに居座り、街行く人々を目で追った。

覚悟はしていたものの、やはり現実は映画のようにそう上手くはいかない。



月日は流れて気がつけば四年。この習慣はもはや自分の生活の一部になっていた。

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