白の楔

私たちの生活 /集い




目の前でクスクスと可憐に笑っているのは、言わずもがな理央ちゃんだ。



私は文字通り、理央がいないと生きていけない。


理央がいたから、今私は生きていられる。



けど、こんな関係をずっと続けるわけにいかないってちゃんと分かってる。


分かってるのに、どうしてもこの体は十分に食べ物を消化してくれない。一人前の量のご飯でさえ、多過ぎるようなのだ。



家では隠して普通にご飯を食べてるから、反動のように学校で吐いてしまう。



理央の作る優しいご飯がわたしの命を繋いでくれてる。



もっと普通に、理央の親友でいたいのに。



理央が迷惑だなんて思ってないことは分かってるけど、大切な親友に寄り掛かってばかりいたくない。




地道に食べる量を増やしていくしか方法はないのだけど、成果はあまりみられないし、かといって理央ちゃんはわたしに騙されてくれないから仕方ない。



もともと嘘を見破るのは得意なんだろうけど。きっと他の誰のどんな嘘に引っ掛かっても、わたしの嘘には引っ掛からない。それが理央ちゃん。



わたしだって理央以外の人は騙せるくらい嘘は得意なはずなのに、どうしてか理央ちゃんにだけは見抜かれてしまう。



……愛の成せる技ってことにしてある。




「…なんか今寒気がしたんだけど」


ブラウスの上から自身の腕を擦っている理央ちゃん。



「そ?6月もまだまだ肌寒いもんね~風邪気を付けてね」



「…………」


「…………」



ほらね。


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