どうしても君が好き

第3章 /Ⅵ そういう体(てい)




会社に着くと、珍しくすでに総司はいた。

「おはよう」

凜が後ろから声をかけると爽やかに笑って、「おはよう」と返してくれた。

総司は凜が座るや否や、「付き合ってる人いたんだ」とニヤリと笑って言われた。

「勝手に決め付けるのはやめてよ。いないって」
凜はキッパリと否定した。

思わせぶりな態度を取っていれば、誤解されたままになってしまう。

それは何だか嫌だった。

「じゃあ何で男が家にいたの?」

「そんなこと言ったら、総司くんだって居座ることあるじゃない」

「あ、確かに」

「でしょ?」

昨日の夜、結局、総司が帰ってから少しだけ会話を交わして、慎二は帰った。
あの後、特に何があった訳でもなかった。

「じゃあホントに付き合ってないんだ?」

「うん」

「ふ~ん」

さっきまで総司にしてはしつこいと思っていたのに、途端にあまり興味がなかったかのように手元の資料に目を通している。

「……変なの」

……何だか腑に落ちない。



  • しおりをはさむ
  • 5
  • 8
/ 496ページ
このページを編集する