どうしても君が好き

第9章 /Ⅱ 第三者



今日は湊の店に、凜と総司2人でディナーを食べにやってきていた。

今日は特別で、2人の誕生日が1日違いということで、一緒に祝おうという話になったのだ。


「総司の誕生日は知ってたけど、凜ちゃんは誕生日いつなの?」
総司がお手洗いに立っているときに、湊が暇そうな凜に話しかけた。

「次の日」

「1日違いか。それは一緒に祝うことにもなるな」
湊は妙に納得した様子で頷いた。

そして、お客さんが近くにいないことをいいことに、傍から椅子を引っ張って凜のすぐ横に座り、
「こういうことを凜ちゃんに言っちゃ駄目なのかもしれないけど…」
と語り始める。

こそこそと喋るので、凜も思わず耳を寄せて聞き入る。

「総司って、人を受け付けないような女の子にいつも惹かれてた。いわゆるクールビューティーってやつ? 自分に好意がない人に目を向けさせて、結局相手の女の子の方が総司にはまり込んじゃって総司が手を切る、みたいなことばっかりやってたんだ」

凜は驚きで目を丸くして湊を見返す。

「そんなふうには…」

そう言えば、前に話したとき、自分から告白するとか、自分に告白してくる子はタイプじゃないとか、そういうようなことを言っていたっけ。

凜は本当なのかもしれないと思い始める。

「――見えないだろ? あいつそういうの上手いから、問題なくやってきたんだよ」

凜は動揺で目が泳ぐのが自分でもよく分かった。
湊の目を直視できなくて、湊ががっつりと見てこないのは助かった。

「凜ちゃんは総司と上手くやってるね」
湊は軽い雰囲気で、ニヤリと笑う。

「――総司のこと、好き?」

自然にそんなことを聞くから、聞き流してしまいそうになった。

その言葉は繰り返し凜の頭の中で響く。

「のめり込んだら抜け出せなくなるかも。今のままの関係の方がいいかもね。凜ちゃんが辛くないなら別だけど」

そう言ってから、湊は何かに気付く。

「――というか、問題は総司の方かな。何考えてるか分からないときあるでしょ?」

「湊くんにも分からないことがあるの?」

「そりゃあ、親友だけど、他人だからね」

「私って人を受け付けないように見える?」

「何で?」

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