どうしても君が好き

第2章 /Ⅰ 職場



夜が明け、月曜日になった。
4日ぶりの仕事はあまり気分が乗らない。
パリッとしたシャツを着ると何だか少しマシになった気がした。

凜は、まだ重い体を奮い立たせて会社に向かった。


凜の勤める会社は県内でも大手の会社である。
社員1人ひとりの座席を固定しないで、空いている席を自由に使用する“フリーアドレスオフィス”を採っている。

凜は会社に着いてエレベーターに乗り、凜の働く部署である経理部の階に辿り着く。
部屋を見渡すと、まだ席は半分も埋まっていなかった。

凜は窓側の隅の席が空いているのが分かり、今日座る席をそこに決めた。
その席は外の景色がよく見えて、仕事中に気分転換になるため、凜のお気に入りの席だった。

席に着くと、鞄からノートパソコンを取り出し、起動させる。
今日は早くノルマを終わらせて帰ろう。
そう思い、テキパキと必要な書類の準備を始めた。


「おはよう」
凜が声のした方を見上げると、目の前に井上総司の姿があった。

「おはよう」
凜は笑顔で挨拶を返した。



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