晴れの日にコンコンと――

再び帰宅


 北木を紙袋に入れて帰宅した絵里はソファーに鞄と一緒に紙袋を投げ出し、コピー用紙とペンをテーブルに並べた。



「まずは、分かっていることから整理しましょう」



 紙袋から出てきた北木は気まずそうに俯いて小さな両手をもじもじと合わせている。



――紺野君の体に興味がある。寝込みに胸を触ったことと一緒に詫びるべきだろうか?



 会社で言われたことを絵里の家に到着するまで揺れる紙袋のなかでずっと北木は考えていた。


 表情も顔色すらも分からない北木の俯く様子に絵里は何となく自分の言葉を気にしているのかとペンで頭を掻く。



「あの、さっきの気にしてるんですか? 謝罪とかしたら殴りますよ。嫌味を受け止めて反省すればこの話は終わりです。こんな説明させるほうが傷抉ってますから」



 呆れたように絵里は北木を叱り、持っていたペンで頭を叩きクスクス笑う。


 北木は尻尾を左右に揺らしながら顔を上げて細く刺繍された目で絵里を見つめる。



「反省している……」


「よろしい! それじゃ、クズハが何者かってとこからいきますか」



 コピー用紙にクズハの話していたことを二人で思い出しながら神社の名前やらを書き出していく。


 記憶を頼りにあらかたクズハの周辺が分かってきたところで絵里はコピー用紙に書き出された神社の名前をペンで叩き呻る。



「最近この神社名を聞いた気がするだよね……」


「ネットで調べれば出てくるだろう。パソコンを借りてもいいか?」


「あ、あぁぁ! 思い出した!! 真紀ちゃんだ。縁結びの神社を巡るとかなんとかって……」



 言うが早いか絵里は北木の言葉を無視して携帯電話を掴んで、真紀に電話を掛けた。


 静かな部屋に呼び出し音が漏れ聞こえ、ソファーからテーブルに飛び移った北木の大きな耳にも届く。


 数コール後に真紀が電話に出た声が聞こえてきた。

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