蓮華Ⅰ~碧眼少女×暴走族~【完結】

第一章 一人彷徨う /騙し騙されの世界






夜霧に紛れ、煌めく月の光彩が優しく私を照らし出す夜半。



「騙した、のか!?」



私の目の前で力なく地面に座り込んだ男。



騙した?


とんだアマちゃんだ。



そんな考えで良く“頭“ なんて張ってこれたものだ。



私は、冷たく男を見下ろした。



「騙された方が悪いんじゃない。そうでしょ」



この台詞を一体何度繰り返してきただろうか。



“信じる”なんて言葉は存在しない。



騙し騙されの汚い世界。




その世界に、目の前の男も私も存する。




その世界の隅で働く私は、ただの人形。


なんて滑稽な存在なんだろうか。



自分の存在価値の無さに呆れ返り、思わず笑みが零れた。



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