蓮華Ⅰ~碧眼少女×暴走族~【完結】




私は動じる事無く真っ直ぐにイブキを見詰めた。



「そうかな?」


「まーたそれかよ」



イブキは親指の爪先で私の下唇を、ツーとなぞった。



それを伏し目がちに見詰めていると、イブキは困った様に笑い自分の前髪をくしゃっと掴んだ。



「お前ぇは俺を誘惑すんのが、うめーのな」



ケタケタと笑うと「ユウに怒られるわ」とかなんとか訳の分からない事を言って、離れていった。



「意味不明」



私はイブキに背を向け歩き出す。



「またな、ユズキちゃん」



またコイツは馬鹿にした様に笑っているのか。



ちゃんなんて付けて…



バイクのエンジン音が遠ざかる。



「さよなら、イブキ君」



もう会う事も無い。




そう思っていたこの時の私には―――――まだワカラナイ。









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