蓮華 Final【完結】

第三章 それぞれの /不思議に浮かぶ蓮の華




数週間後、私は父と母の元に向かった。


ずっと逃げてきた二人の元に私から…。



東条組本家から遠くもなく近くもない…タクシーで30分弱のその場所。


田舎くささのある、だけど穏やかで静かな街。



そこから更に入り組んだ所に入っていく。


途中車は入れないところがあり私は徒歩を余儀なくされ、目的地に向かって歩いていた。



古い木造民家の並ぶそこを抜けて坂を登る。


上へ上へと目指す。


ここの階段を上がれば墓地があるらしい。



一段一段上るたびに動悸が早くなる。



それは急な坂を登っているからなのか。


答えなんて分かっているはずなのに少し気付かない振りをした。



岬の方は別の方にあるらしく半日以上は掛かる為今日は行けない。



最後の階段を上り終えて私は小さく息を吐き出した。



見晴らしの良い丘の上には淡々と整えられた墓石。


それから中央には池があった。



その池の中には蓮の花が一輪浮かんでいる。



こんな季節に蓮の花……。





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