蓮華 Final【完結】

第一章 少女の望み /本音 陽side




嗚呼、間に合わなかった。








――――と思うくらい間一髪だった。




締め付けられるような緊迫感。


こめかみを汗が伝う。



それを拭う事も忘れ俺は目の前の光景を疑った。



「……どういう…つもりだ」



親父さんは動揺気味に言葉を紡ぎアイツの顔を見据える。



親父さんが引き金に手を掛けて力を加えたあの一瞬、目の前を遮ってアイツは飛び出していった。



俊敏な動きで親父さんの右手に回るとそのまま手首を掴み銃口の向きをギリギリのところで変えさせた。



的を外した弾丸は神乃の足元に放たれた。


そこの畳はそれによって抉れている。



それをさせたのは――――……





「蓮華」





俺が待ち望んでいた人物だった。




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