蓮華 Final【完結】

最終章 /彼と無邪気な約束を





「ごめん、」



そう言った瞬間イブキが微かに目を見開いた。



だけど、違う。


そういう意味のごめんではない。



私は逃げないで真っ直ぐイブキの目を見た。



「私まだ無理だ」


「…ユズキ?」



もう大丈夫だと思ってた。


もう神乃に忌まわしい思いはないと思ってた。



けど、違った。



あの日…東条樹が亡くなったあの日から私の目は変わったのだ。




「あんな目向けてごめん…っ」




神乃の息子であるイブキとジュン、それから彼等と関係の深いサクに私は無感情で冷たい目を向けていたのだ。



無意識なんて言い訳でしかない。



まだ私は抜け出せていない。



好きなのに。


こんなに恋しいのに。




「私はまだやらないといけない事がある」




心ははっきりしているからか私は凛とした声を張った。



イブキの鋭い目が私に向いた。


私はつい下を向いてしまう。





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