蓮華 Final【完結】

第一章 少女の望み /残された者 ――Side




ゆっくりゆっくりと彼女の身体が後ろへ傾いていく。



俺達は慌てて彼女に手を伸ばそうとした。



その間際彼女の口が動く。





『―――たすけて』





喉の奥底から絞りだしたかのような酷く擦れた声で訴える。




だけど俺は…俺達は一瞬その場から動けなくなった。



彼女が見ていたのは、彼女が助けを求めたのは“アイツ”だったからだ。



彼女は最後に“アイツ”の名前を呼んだ。



それが分かった時にはアイツはもう彼女の後を躊躇わず追っていて。





俺はこれから先の未来、何度この光景を思い出すだろう。



何度後悔するのだろう。






そしてそのままアイツは彼女の涙と共に―――――落ちた。






「ユズキ…ッ!!!」




残された者の声は部屋に響き、そして消えた。












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