蓮華 Final【完結】

第一章 少女の望み /抗争の対価





「神乃、」



不意に東条樹は神乃の組長を呼んだ。



神乃の下っ端が一斉に気構える。


が、そんな下っ端達の心配を余所に神乃は凜とした声を響かせた。




「引け、東条。もう用件は済んだだろう」




正気かこの男。


無条件で東条を逃がそうとしている。



下っ端達は困惑を顔に浮かべる。



それはさぞかし理解出来ない事だろう。


ここまでこの“戦争”をデカくした東条を神乃組長は引かせようとしているのだから。



「ただ後の始末はテメエで片付けろ。こっちは手出さねぇ」



その真剣な表情は少しジュンに似ていて。




「東条忘れんな。テメエが今回起こした抗争は甘ェもんじゃねえぞ」




そして少しイブキにも似ていた。



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