逆様少女Ⅳ【完結】






「兄貴は?」



タツミの口から簡単に兄貴という言葉が出てきた事に密かに驚く。



それだけ時が経ったという事だろうか。




「……ヤナセはもう巻き込めない」


「アイツの事だ。仲間外れだって怒るだろうな――――」




ポツリと落としたその言葉は車内に溶け込むように消えていった。



タツミの言葉からそれは容易に想像出来る。


それでも表の世界に身を置いた人間を巻き込むわけにもいかない。





――――アイツに害をなす不安要素はすべて消す。




俺がいなくても、眠れる夜を過ごせるように――――。







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