逆様少女Ⅳ【完結】

第十七章 /side 渚







三年との喧嘩の時のように、彼女がまたひょっこりやって来ないだろうかと心配だった。



奴等に勝てるか、の心配より。怪我をするか、の心配より。


何よりそれが気掛かりだった。




「オレンジ頭!集中しろっ!」




割って入ったその声に思考が止まる。


瞬時に後ろを見れば今まさに鉄パイプを振り下ろしている男。


それを確認すると同時に身を横に逸らした。



「っ、」



寸前のところで重たい一撃が下ろされる。



ホッと胸を撫で下ろす暇もなく、俺は横から蹴りを入れて男の顔面を正面から殴り付けた。


怯んだ隙に鉄パイプを取り上げ、お返しに。




「どう―――ぞ!」




振り下ろしておくと、男はもう起き上がらなかった。




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