逆様少女Ⅳ【完結】

第十七章 /side 椿






「椿さん下がって!!」




佐藤が奥歯を噛み締めた必死な顔で前に出てくる。



叫びながら突っ込んでいった……というよりは飛び込んでいった。


そのまま奴等と一緒に雪崩れ込む。



「馬鹿」



コウヤでもやらないだろう意味不明な行動に思わず呟いた。



耳が痛い程。


周りを見れば人人人。


汚い言葉や揶揄する声が飛び交っている。


そして時々聞こえる奇声は奴等のもの。




「凄い人数っすね」


「よく集めたもんだよ」




まだ中にもいるつーから先なんて見えるはずもない。



何度拳を奮ってもキリがない。


向かって来た男の拳を避けて、素早く手首を掴む。


やばいと顔に焦りが滲む。



「遅ぇよ」



相手の体を引き寄せて、思いきり腹を蹴り飛ばす。


激しく咽る男を仲間の方へ投げ捨てた。



双方止める事は不可能だ。



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