逆様少女Ⅳ【完結】

第十八章 /逆様少女、彼の心





「けどその希望も奪われた。今度はこの男によってね。なんて事してくれたんだろうって思ったよ。俺は何を希望にして生きていったら良いと思う?」




亮の話を信じるとするなら、亮は謂わば敵である菜月を殺した男に落胆はすれど、感謝はしなかった。


菜月は“希望”だったからだ。


大きく手を広げて、私を見下げて彼は言う。




「榊結菜。もうアンタしかいないんだよ」


「意味が分からない」



私は膝を付いて立ち上がった。


長く息を吐く。と、途端に彼の目の色が変わる。




「別に理解されなくていい」




そう言いながら後ろ手に持っている“ソレ”に気が付いた。


その異様に光る銀色の鋭さに。


何故気づかない?何故分からない?




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