逆様少女Ⅳ【完結】

第十八章 /side 椿





関矢の仕事先の先輩に当たるその男は名前をタツミといった。


タツミという名前を俺は聞いた事があった。


過去に渚が世話になってた。


そしてユナとも繋がっていた人物。



俺の予想は間違っていなかった。



予想でどこへ行くかも知らない車に乗り込んだ俺もどうかと思うが、誰とも知れない俺を“ユナ”の名前一つで信用して乗せたこの男も相当警戒心が薄いか物分かりの良い奴だ。




「で、日比亮介とユナが一緒ってどういう事だ」




物凄い速さで車を走らせながら、しかしその声は自棄に冷静だった。



亮の事も知っている。話が早い。



俺は端的に事を話した。


ユナが電話に出ず、家に居ない可能性がある事。


亮が“女を探しに行った”事。


亮がユナに恨みを持っていた事。




「……お前の予想が当たってるとするなら、それは最悪の場合だ。…可能性の為に仲間を置いてきたか?」




タツミの言葉は確かな正論で俺を非難していた。


俺はアイツ等を背負うと決めた。


“クローバー”と闘うと決めた。


俺はアイツ等を残した。




「…優秀な双子に預けたんだよ」




アイツ等もそう望むからだ。


何だかんだユナの事になるとうるせえ連中だからな。



コウヤに関しては殴られかねない。



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