逆様少女Ⅳ【完結】

第十八章 /ヒトリゴト




散々だ散々。


もう何にも染まらないくらい染まり切った真っ黒な人間の“お願い”なんて誰も叶えてくれるわけもねえし、そもそも神頼みなんて柄でもない。


俺の手はいつからこんなに真っ黒になったのか。


あの頃は毎日が楽しくて、一日一日に色々なことが起こって……笑ってた気がする。




セリとの作戦は、女の家に匿われていた男がこの街に出てきて、“クローバー”の名前が出始めた段階で話はついていた。



それは俺とセリの間での話であって、菜月と結菜のオヤにも嘗て関わっていた兄貴にも内密だった。


極力関わる人間を減らしたい為だ。


もう誰の不幸も見たくない。




「こちら側に出てきた以上は仕方ありません。どんな目的だろうが、またあの子に危害が及ぶならその前に二度と現れないように消します」




数年振りに再会したあの日、セリはそう言い切った。




「…どうやってだ。お前があの男を殺るか?」


「……それもそれで気分が晴れそうで良いと思いますけどね。俺はまだチビの面倒を見ないといけないらしいので」




顔を引き攣らせながらそんな冗談を言える余裕があるらしい。




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