逆様少女Ⅳ【完結】

第十八章 /逆様少女、伝えたい話






私はあれだけ拒絶していた男の顔をじっと見詰めていた。


ボロボロになって私を守ったこの男に頭がついていかないからかもしれない。



“片付け”が終わり、亮は膝から崩れるとその場で呆然としていた。


床に伏してる男達を見ると、ここまで人を変えてしまう“それ”を恐ろしいと思った。



それと同時に混乱してる。


この男の考えが分からなくて。


でも考えを理解しようとしている自分がいて。



戸惑う。




「お前の親を知っていた」




私は不快で堪らなかったその声を聞き入れた。


その言葉を信じるには余りに唐突で、困惑はすれど驚きはしなかった。




「…爺さんのこと?それとも龍二さん…」




すると浮かび上がった選択肢両方に首を振った。



「お前の母親だ」


「……母親…」



突拍子のない人物に又もや思考は置いてけぼり。



それでも思い出すあの表情。


時折見せたあの表情はその為だった?


私の親の面影を見たから…?




「…あの人とは偶然立ち寄った店で会った。繁華街から離れた薄暗い路地に面した小さい店だ。お前の母親はそこで働いていた。男に捨てられてな」


「………」




その場所は他でもない、今私がレオと住んでいる場所だった。




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