逆様少女Ⅳ【完結】

第十八章 /side 亮






目の前で起きてる光景が非現実的過ぎた。



まるでテレビの中のドラマを見ているような気分だった。


それにしてはリアルで吐き気がした。



結局俺はアスマの事を理解出来なかったし、菜月が居なくなってもあの女(ひと)に付け入る隙なんてこれっぽっちもなかった。



二人が連れて行かれる瞬間を最後まで見届けてそれから目を閉じた。



自分も救えない人間がどうして他人を救えるのか。


そんなことを一瞬でも考えた自分が可笑しくて可笑しくて……。



さっきまで自分が殺そうとしていた相手、榊ユナが赤崎椿に抱えられているのを見る。



赤崎椿は傷だらけの“悪魔”を悲痛な表情で見つめていた。



それを目に映した俺は自分に問うた。




――――俺はどうして生きているのか。




そしてすぐに答えた。




――――死ねなかったからだ。








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