逆様少女Ⅳ【完結】





最高の我儘を使った私に、行かないでなんて言えなかった。



でも不思議と悲しくはなくて。


寂しいけれど、私は背中を強く押された気がした。



そこには私の好きなお菓子が沢山あって、見渡すと椿達が居た。



幸せだと思った。


こんなにふわふわと穏やかに眠れたのはいつ振りだっただろう。





『ユナは生きて何をしたい?』





姿のなくなった菜月からの質問に私はすぐに答える事ができた。




私は高校を卒業してリュウジさんの元へ行く。



菜月の代わりになんて成り得ないかもしれない。


でもそうしないといけない。



菜月と同じようにミルクティー色の髪にした日そう決めた。





『それは自分の為か』





今日は菜月が沢山喋ってくれる日なんだなぁ。




「きっと自分の為。セリ達がそれを望んでない事も分かってるの」




でも、顔は分からない。




『ユナはそれでたのしいか。俺はお前がもう泣かないように、あの時手を引いた』


「……私泣いてた…?」




菜月の顔、夢でも良いからもう一度見たいなぁ。


なんて贅沢なお願いなのかもしれない。






『また泣いてる』






菜月がそう言った瞬間、ハッと物音で目が覚めた。









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