逆様少女Ⅳ【完結】

第十九章 /逆様少女、待つ






盗み聞いていたのではないかってくらい絶妙なタイミングでタツミが入って来た。




「話は済んだか?ガキンチョ共」




余計な言葉と共に。




「誰がガキンチョだ」


「あー、チビ共だったな」




ああ言えばこう言う。



昔の方がもっとマシだったかもしれない。


コウヤくんと話しているナリを見るなり微かに口元を緩める。




「帰るのか、セリの弟」




その言葉を聞いて改めて思うのはナリはセリの弟なのだという事実で。




「出来たら今すぐにでも帰りたい。余計な気を使わせたくないから」




それはセリにという事だろう。



そうだ。ナリはそういう人なんだ。


だから、私の知ってるセリが自分の兄だという可能性を無理矢理にでも捨てた。


私に気を回したのか、セリに気を回したのか。



それは分からないけど……。




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