逆様少女Ⅳ【完結】

第十六章 /逆様少女、悪夢






最近よく夢を見るようになった。



でも起きるとすっかり忘れてしまっていて、少しも思い出せない。


ぽっかり穴が空いたようなそんなもやもやとした気分。 





「…っ、はぁ…」




今日も息苦しさで目が覚めた。



閑散とした部屋に空調の無機質な音。


何故か霞む視界。


目を擦って時計を見る、夜の10時を少し過ぎた頃。



息をしている筈なのに苦しい。


体がずっと固まっていたかのように鈍く痛む。



「れ…おっ」



絞り出すように名前を呼んで手を伸ばした。



すぐに、にゃーと可愛らしく鳴いて鈴の音と共に寄ってくる。



私は思わず抱き締めた。



こわかった。


こわかったのだ。



嗚呼、思い出すのも嫌だ。




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