逆様少女Ⅳ【完結】





椿の居場所なんて最初から分かっていたし、理由もなく歩き回ったりなんてしない。


ユナちゃんと二人ならまだしもね。



じゃあ何故か。


決まってる。



あの男と“顔見知り”になる為だ。



だからほら、出てこい。




「おーい、お兄さん!あれ高校生?」


「顔きれーだねぇ」




制服で来たのが間違えか…。



「どうも」



でも一々着替えるのも面倒だったし。



振り払うように人混みを掻き分けて人通りの少ない通りに出た。



ここに来るのも今日で一週間。


合間を縫ってはここに足を運んでる。


もう半分諦めかけていた。




「…よくやるよ」



自分で自分を慰めるくらいには。



そう呟いた時。






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