意地悪な兄と恋愛ゲーム【完】

第二章 /恋愛ゲーム

そっと目を開けた


あ、れ、

ここは?


「目が覚めた?」


横を向くと、晴斗が美咲を見てニコリと笑っている


「ぎゃっ!」


ベッドから跳ね起きる

額に張りついていた冷えピタシートが半分剥がれた


「私の部屋に何でいるの!?」


晴斗は驚いた顔をして、それからクスクスと笑う


「ここは美咲の部屋じゃないよ?覚えてない?屋上で倒れたんだよ。ここは保健室」


周りを見渡せば、確かに学校の保健室だった

薄いカーテンからは、赤い夕日が差し込んできている


「軽い熱中症。あんなところにずっといたら、確かにそうなるよね…」


「は、晴斗がここまで運んだの?」


「そうだよ」


あのフワフワした心地

晴斗に運ばれていたからなんだ


何たる失態


「嫌そうな顔してる。倒れる美咲を、見て見ぬフリをすれば良かったかな?」


「っ……」


俯いて首を振ると、「ごめん」と、晴斗が謝った


「屋上に来たときから、誰かがいる気配はしてた。もっと早く声をかけてあげてたら良かった…」


何で、晴斗が謝るの?

私があそこにいたのも、熱中症で倒れたのも晴斗のせいじゃないのに!


「全部の私の自業自得なんだから、謝らないでよ…」


晴斗に気付いてもらえていなかったら、私はどうなっていたんだろう


場所は放課後の屋上

しかも、建物の裏


きっと誰にも気付かれずに、私はそのまま……


何日か後にミイラとして見つかる自分を想像して、ゾッとした



「それから、あ、ありがとう…助けてくれて…」



目を合わさずに、美咲は小さく告げた

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