意地悪な兄と恋愛ゲーム【完】

第十四章


美咲はその後、母親の部屋にお粥を届けた

そして再びキッチンに戻ってくると、晴斗がフライパンを器用にふるっていた


「は、晴斗?何やってるの?」


晴斗は、戸口で呆然と立っている美咲に気が付く


「何って、料理だよ。冷蔵庫にあった食材、使っていいんだよね?」


「い、いいけど、どうして、晴斗が…」


「美咲は火傷してるし、今日は俺が作るよ」


見ると、いつの間に用意したんだろうか、ダイニングテーブルの上には、彩りの良いサラダが既に出来上がっていた


「すごい…」


「そう?」


晴斗は炒め物をフライパンから皿へと移している

その香ばしい匂いにそそられ、お腹の中がギュッと縮んだ


「美味しそう。晴斗って、料理出来るんだ」


「まぁ、それなりだよ」


晴斗はそれなりと言うけれど、たまにしか母親の料理を手伝わない美咲の域を、はるかに超えている


「………それなり、か…」


私が今日火傷してなかったら、晴斗と先輩に、それなり以下の料理を食べさせるところだった……


美咲はそっとため息をついた


「晴斗、いつ料理なんて覚えたの?この家で晴斗がキッチンに立ってるところは見たことないのに」





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