真夜中の相談屋敷

明日までにということは、明日追試があるということだ。

追試のテスト勉強をする時間がない。

「は、早くない!?」

「自業自得の末路だろ。第一、明後日は…」

…あっ…。

明後日という言葉を聞いて思い出した。


明後日は終業式で、その次の日から夏休みなのだ。


「なんで夏休みを前にして地獄を見ないといけないの…」

私が頭を抱えていると、葉月は床に置いた鞄を持ち上げて肩にかけ、あきは荷物を取りに行くために自分の席に戻った。

「じゃ、俺らは部活行くから。舞は今日、部活休んで家でテスト勉強しとけ」

葉月はそう言って、持っていた私のテストを私に返し、教室の後ろのドアからあきと出て行こうとする。

『ママ行かないの?』

ユウは部活に行きたそうだ。

でも私が行かないからもの惜そうな目で葉月達を見ている。

「ちょっと待って!」

私は出て行こうとする葉月達に駆け寄り、葉月の手首を掴んで葉月を止めた。

「ひとりじゃ無理!というか寂しい!」

「は!?勉強に寂しいとかねぇだろ!」

葉月は私の手を振りほどこうとしているが、私は必死に掴んでいた。

葉月は振りほどくのを諦め、ため息をつく。

「父さんや母さんが居るだろ…」

私は葉月から目を逸らし苦笑いをした。

「いや…、なんか騒がしいし…」

葉月は掴まれていない方の手で私の頬を軽くつねった。

…い、痛っ!

「お前より騒がしくねぇよ!つーか、親になんてこと言ってんだよ…!」

葉月はだいぶイライラしている。

口調から分かった。

「うるひゃい!わひゃひもうあつうぃう!」

うるさい。私も部活行く。

そう言ったつもりだったが、頬をつねられているため上手く言えなかった。

葉月は私の頬から手を離す。



「…ったく…。分かったよ。だけどちゃんと勉強しろよ。いいな?」

葉月は私の図太さに諦めがついたのか、部活に行くことを許してくれた。

ちゃんと勉強をすることの条件付きで。

「本当!?」

『わーいっ!』

私とユウは部活に行けることを喜んだ。




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