真夜中の相談屋敷

今日は『相談屋敷』お休みね?と言いながら、私はドアの鍵を閉めた。

「お、おい…」

私は葉月達に駆け寄って机を勢い良く叩き、その様子にふたりはビクッとしている。

「こうなったら…。とことんふたりに教えてもらうから…」

「はっ!?」

「覚悟しなさい!」

「なんで上から目線なんだよ!」

私と葉月のやりとりを横目に、あきは黙って鞄を肩にかけている。

「…どこ行くの?あき」

私は薄っすらと微笑みながらあきの服の裾を掴んだ。

「うっ…、えっと…、その…」

葉月も立ち上がりあきが持っている鞄を奪い、それを床に置いた。

「お前だけ逃げてずるいぞ…?」

「え!?」

あきは口元を引きつらせている。

「こうなったら…、徹夜だな」

「えぇ!?」

葉月はもう諦めがついたのか席に座り、私側に寝返った葉月に対してあきは驚いている。

「俺達が絶対に60点以上採らせてやるよ」

「ありがとう!」

私と葉月は強く握手をした。

『ママファイトー!』

「ねぇこれ深夜テンションだよね!?僕そのテンションになれないんだけど!」

時計を見るとまだ8時。

深夜まではまだ早い。

「は?何言ってんの?」

「私と葉月は以心伝心になっただけだよ」

以心伝心とは、お互いの気持ちが言葉にしなくても分かるという意味だ。

私と葉月の気持ちはただひとつ。



「絶対に補習にはさせねぇからな!」

「ありがとう!頼れる兄よ!」

「もうヤダこの兄妹っ!」



深夜の勉強会が始まった。





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