真夜中の相談屋敷

【相談6】トンネルシンガー /その 3

そのトンネルは第3寮の玄関から数メートル先にあった。

私達はトンネルの入口前で立っていた。

入口には通行禁止のテープが貼られている。

トンネルは石垣状になっていて、隙間からこけが生えている。

トンネルの中は昼間なのに薄暗く、向こう側は真っ暗でもう何も見えない。

『うぁぁ……』

確かにトンネルの中から不気味な声が聞こえてくる。

「…なんも聞こえへんな」

…え?

月斗は首を傾げている。

トンネルの中から聞こえる声は月斗には聞こえていないようだ。

「もしかして…、霊感ゼロ?」

「まぁな。みんな怯えとるけど、俺にはさっぱり聞こえへん」

霊感がまったくない人を初めて見た。

…霊感がない人って居るんだ…って、

私が霊感がありすぎるだけだ。

私はそんな自分に呆れた。


葉月は咳き込んでいる。

「ねぇ、大丈夫?」

「あ…あぁ。入ろう」

「うん…」

朝より気分が悪そうだ。


私達は通行禁止のテープをくぐり抜けて、トンネルの中に足を踏み入れた。








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