真夜中の相談屋敷

【相談7】はづきんエンザ /その 2

「こんにちはっ、おサボりさん」

「げっ!?月斗…」

なぜ確認もせずに玄関を開けてしまったのだろう。と、後悔しつつ私は口元を引きつらせた。

玄関には月斗が制服姿で立っていた。

ドアをゆっくりと閉めようとしたが、月斗がドアを掴んで閉めれなかった。

「げっ、てなんやねん。げっ、て」

「えーっと…。月斗、補習は?」

「それはこっちのセリフや。なんで小野寺さんサボっとんの?」

月斗は笑っているが、その笑顔はどこか怒っている。

私は苦笑いをしながら月斗から目を逸らした。

「えーっと…、葉月がはづきんエンザにかかって…」

「は?」

「てゆーかっ、月斗補習は!?行かないとダメでしょ!」

自分が補習に行かないことを棚に上げて、月斗に補習に行くように言った。

「アホか。俺は別に強制参加じゃあらへんし。好きな時に行けばええの」

「む…」

「でも今日は初日やし?行ったら小野寺さん教室に居らへんし?せやから様子見に来たんよ」

月斗はため息をついた後、痛めつけたかったのに。と、ボソッと呟いた。

「な、なんで家の場所知ってるの?」

「倉重くんに家の場所吐かせた」

「あき…」

あきは月斗を避けているようだから、月斗に何かしらやられると思って言ってしまったのだろう。

「か、帰ってください!お金は明日ちゃんと返しますから!」

「なんやそれ!なんのくだりや!俺は借金取りかっ!早よ補習行く準備せぇや!」

「だから葉月がはづきんエンザにかかってて」

「せやからはづきんエンザってなんやねん!」

無理矢理ドアを閉めようとする私と、ドアを閉めさせないようとする月斗。

…早く帰ってよ…!






「だから!葉月風邪ひいてるの!」




「は…?風邪?」






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